【第三話】 ※前回のお話はこちら
バスが走りだすと、山の景色をきれいに映し出す鏡の様な大正池が見えました。ヤスシゲさんも車窓の流れをじっと眺めています。さらに進むと3匹の猿と遭遇。「おぅ!サルが、サルがいるぞ!凄いな~。」普段宅老所では見ないようなヤスシゲさんのはしゃいだ声。
上高地には12時頃無事に到着。「ご飯まだかや!」ヤスシゲさんから昼食のリクエスト。そんな時いい匂いがしてきます。「コロッケだぞ!コロッケ!!」上高地名物のコロッケがヤスシゲさんの目に留まりました。ずしりと重く大きなコロッケとハンバーグカレーを頼み、売店のテラスに座りノンアルコールビールで乾杯です。
ヤスシゲさん早速コロッケを美味しそうにガブリ!ヤスシゲさんも同行のスタッフも、美味しいコロッケをお土産にちゃっかり購入。ホクホクのジャガイモとお肉の味がやみつきです。
いい匂いにつられてヤスシゲさんの周りにカモが寄ってきました。
お腹もいっぱいになり、周辺を散策。
上高地といえばこの景色。
「ヤスシゲさん上高地どうです?」「高校時代山岳部で夏休み2ヶ月程滞在して電報を配ってたぞ。」「凄いじゃないですか今みたいに携帯電話がないですもんね。」「槍ヶ岳にも登ったんだ。」と誇らしげに語ってくれました。
二人で記念写真を撮っていると小雨が降りだし、時刻は1時半。「そろそろ帰りますか。」「そうだな。」といいながらもちょっぴり名残惜しそうなヤスシゲさんでした。
ヤスシゲさんの自宅に到着し、車からから介助して車椅子で降りるとき「大変だぞ~。」とスタッフを気遣う言葉がありました。「大丈夫ですよ。上高地への道のりに比べればたいしたことないですよ。」「そりゃそうだ。ワハッハッ!」と元気な笑顔で一日が終わりました。
ヤスシゲさんの思いでの上高地。一緒に出掛けたスタッフにも思い出深い場所となりました。
グループもみじの宅老所は、おひとりおひとりの思いを大切に日々の暮らしに寄り添っています。これからもひとつひとつの願いに向き合い続けます。